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波多野均つれづれアート

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「絵は無声の詩・・・、詩は有声の絵・・・。」

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何年も前からの連作の仕事の続きで、昨日はこの横長の絵の中に月を描き入れました。どの位置に月を置くのか、朝からこの絵を見ていて、午後からイーゼルの前で試行錯誤し、夕方近くになり、やっと自分の納得のいく場所に月を描きました。・・・何回も、月を描くために、描いては消し、描いては消しのくり返し・・・普通の人が見たら、異常な光景です。・・・このおっちゃん、大丈夫ーという世界です。自分の気持ちとタブロー・絵がひとつになった時に、ようやく月が出現しました。これで、中原中也の詩の・・・ポッカリ月が出ましたら・・・のイメージに少し、・・・よく晴れた満天下の星月夜の下に・・・のイメージに近づきました。「絵は無声の詩、詩は有声の絵」レッシング、ドイツの文学者・・・私にとって、さまざまな言葉・詩に縁すること、触れることによって、宇宙大にイメージが広がり、何回もデッサンをし、水彩画で色をつけ、それから、少しずつ絵を描き始めます。言葉・詩は私にとって絵を描くことの始まりです。今日はこの仕事で・・・月をひとつ描くことで一日が終わりました。バッカみたいと思われるかもしれませんが、バッカみたいなのが絵描きの人生・生き方なのです。おまけ・・・現実のポンヌフ橋は、右岸から左岸へと、このようにワイド・広くには見えません。視点をずいぶん高くして、宇宙に目というものがあるならば、宇宙の目から見た風景です。現実の世界に何かを足して・・・フランス語で言う、ケルク・ショーズ・・・言葉では、説明できない何ものか・・・というものが、創造の世界には必要です。
by h-hatano-art | 2010-02-22 02:21