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波多野均つれづれアート

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一年で一回の良いこと、善行をする・・・年末のフランス社会のドン・寄付金集めの伝統・習慣・・・

ずい分と、パリ南郊外もお寒くなりました。夜は電気ショファージ・暖房をつけて、寝るようになりました。フランスからの美術ニュースが、フランスからのガストロノミィ・食べること中心のブログになってしまって・・・何日か前だったけれども、ガストロノミィ・フランセーズ、フランス料理がユネスコの世界遺産に登録された・・・文化遺産に・・・と、ありました。やはり、食いしんぼうの民族です。買い物カゴをさげて、男性がマルシェ・市場に行くのは、あったり前・・・ワインは、女性が触ってはいけない、つまり、お酌なんかしてはいけない、コルクの栓を抜いて、サービスするのは男の役目・・・最近は男性用のお料理教室がブームになって、週末の家族の食事を作るのは男です。土曜日の夜や日曜日のお昼に、友人や知人を招いて、キュジーヌ・料理するのは男です。そういうフランスにメタモルフォーゼ・変身しています。フランスの美術界のおニュースと言いますと・・・ルーブル美術館のヌーボー・コレクションに、1531年作のクラナッハの小さな絵、トワ・グラース、三美神を購入したい・・・その絵の価格が400万ユーロ、4億5千万円、その三分の二ぐらいをフランス国民のドン・寄付で買いたい・・・というものでした。ルーブル友の会を中心に、メセナの大企業とか億万長者のフランス人とか、寄付金集めが始まっています。クラナッハが生きた時代・・・宗教改革のマルチン・ルターとクラナッハは親しかった・・・には、女性のヌードを描くことは、タブー・禁止になっていたので、彼はギリシャ神話の題材を持ってきて、このトワ・グラース、三美神のヌードを描きました。当時、クラナッハは、自分の工房・アトリエをもっていて、弟子達にこのギリシャ神話からの題材の女性ヌードの絵をガンガンに描かせて、最終仕上げは自分がし、サインを入れて・・・クラナッハ工房の板絵をヨーロッパ中に売っていたらしい。その小さな絵が479年ぶりに話題になるとは・・・年末のフランス社会はドン・寄付金がさかんに行われます。一年で一回の良いこと、善行をする・・・そういうカトリック・キリスト教社会の伝統・習慣です。
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パリ市内にあちこちとあるテアトル・劇場・・・フランス人はお芝居観賞が好きな民族で、こういう芝居小屋がたくさんとパリ市内にはございます。フランス古典劇のモリエールのコメディ・フランセーズから始まって、コミック芝居やミュージカルや寄席や漫才なんかが、こういう小さな劇場でやっています。ちなみに、フランス版の漫才は日本のお笑い漫才とは違って、政治批判お笑い漫才が多いのが特色です。かけ合い漫才は少なく、ワンマンショー漫才が主流です。ひとりで二時間ぐらい、しゃべくり回って、笑いをとる・・・そういう、芝居小屋が多い。日本にも早く、健全な政治批判漫才でお笑いをとる芸人が出現してほしいものです。最近の日本の低迷ペイザージュ・ド・ポリティック、政治風景はおもしろいことばかりでしょ・・・謝罪大臣続出とか、次を狙ってる影の総理とか、責任はとらないけれども言いたい放題官房長官とか・・・フランスのお笑い芸人だったら、ヨダレのでそうなテーマばかり・・・フランスの政治批判漫才はおもしろいですよ・・・時の権力者をギンギンに風刺して、おおいに笑っちゃって、庶民のストレス全快・発散の年末です。
by h-hatano-art | 2010-11-20 07:16