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波多野均つれづれアート

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フランス版ノエル・クリスマスのレベイヨン・前夜祭食事

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  クリスマスの前夜祭の食事は家族全員が集まっての、日本のお正月のようなものだ。夜の七時半に集合し、フランス人特有の挨拶セレモニー・ビズ、ほほとほほを左右合わせての挨拶で始まる。握手もあるけれども、握手はそんなに親しくない人との・・たとえば、初対面の人とか・・礼儀的なものだ。地方、田舎に行くと、男同士でもビズをし抱きしめられる・ハグする挨拶もある。親愛の情を示す挨拶だ。今夜は特別な食事会なので、女性連中はドレスアップして、胸の大きく開いたドレス服や男性軍はネクタイ付のベストでおめかしだ。昨夜よばれたレノリイ家では、食事の始まる前にリビングのソファにそれぞれが座り、カリカリに焼いた一口大のパンにフォアグラをつけて、甘い白ワイン・ソーテルヌで食べながら、この一年はどうだったかとか、健康や仕事のことが話題となる。フランス人は基本的に話すために生きているといっても過言ではないので、食べながらお話しするのではなく、お話ししながらすばやく食べるという・・沈黙は金ではなく、沈黙は何考えてるのかわかんない、いい意味でも悪い意味でも自己主張中心という文化の中で生きているので、フランス社会の中では、どんなことでも話すことが必要だ。甘ったるい白ワインを二本も開けるころ、テーブルに案内される・・といっても食卓テーブルはすぐそばだけれども。最初に生ガキの盛り合わせとスコットランド産サーモンの燻製の薄切りを辛口の白ワイン・ロワールのムスカディと一緒に食べる。ずーと、お話しずくめ・・A型インフルエンザの予防接種は済んだのかとか養老年金の話しとか、・・食事中の話題に政治や宗教、人種・人権問題等々のお話しはタブーになっている。アルコールが入ってのそういうお話しはケンケンガクガク、食事会が熱い討論会になっちゃって皆が不愉快な結果になることをフランス人は長年の経験でよく承知しているからだ。・・ロワールの白ワインが三本も開くころに次の生ホタテ貝とエビのサラダ風・・バルサミコ酢が軽くかかっている・・が運ばれる。白ワインもちょっとコクのあるアルザスワインとか、ブルゴーニュワインが登場する。サービスはDr.レノリイの娘、ディアンヌの仕事だ。私が持参したボルドーの赤ワイン、サンテ・ミリオン(本当においしいワイン、当たりはずれのないワインでストライク中のストライクワイン)のマグナム、大ビンを開け、シャンブレ・室内温度にふれさせる、そうするとワインの香りが開き、飲み頃になる・・いよいよ、クリスマスの料理・家禽の・・お腹の中に栗の詰まった肥満した鳥の丸焼きと温野菜の付け合せが運ばれる。フランスでは七面鳥の丸焼きは人気がない。もう、お腹はワインと前菜でいっぱいである。これは日本の鯛のおかしら料理に似て西洋のクリスマスならではの料理だ。そして、チーズの盛り合わせ、最後にシャンパンでデザートのケーキ・・一番目の写真は自家製のケーキなのだか、もう、皆いい気持ち、つまり酔っ払ってテーブルの上は雑然としている。フランソワの弟パトリックから、・・お前、いつからレストランをオープンするのか・・と冗談を言ってくる。二番目の写真はファミリーの集合写真、ポーリーヌおばさんはトイレに行っていない。最後の最後にプレゼント交換、食後のお茶や食後酒のコニャクを飲んで・・自宅に帰ったのが明け方の二時すぎ・・今年最後のひと仕事を終えたようだった。おおいに疲れ、太田胃散を飲んでバタンと寝てしまった。
by h-hatano-art | 2009-12-26 00:34