波多野均つれづれアート

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ヴァンサンとテオ、ゴッホ兄弟へのオマージュ

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 油彩画 55X38       2009年も今日が最後・・・今年一年間で亡くなった世界中の人たちへのオマージュ・尊厳するの意味をこめて・・・・・。青々としたアイビー・つたですっぽりとおおわれたゴッホ兄弟のお墓は、パリの北西郊外のオワーズ河が流れるオーヴェール・シュル・オワーズの小さな町から少し離れた小麦畑で囲まれた小さな共同墓地にあります。べつにお墓を描く必要はないのですが、この絵は自分の中のゴッホに対してのレクイエムのような、忘れないためのものなのです。調べてみると、大正から昭和の始めにかけて多くの日本人の絵描きや文学者がこの地を訪れています。ゴッホが生きた時代、浮世絵からの影響で、ゴッホはどうしても日本に行き、日本の大気・光りの中で絵を描きたかった・・というゴッホの手紙も残されています。詳しく知りたい人はゴッホ関係の本を読んで下さい。・・・・・年の終わりに、これからずっと忘れないためにも、今年、亡くなられた世界中の人々への思いをこめて、この絵を選びました。この絵と同時にもし、歌を選ぶならば、・・・フランスでは紅白歌合戦がないので・・・・ステンバイミー、STAND BY ME ・・・・本当は恋人への歌だけれども、もっと広げてヒューマンな、人間的・人道的な意味あいから・・いつも自分のそばにいてほしい、自分が生きている限り、忘れない・・との心からの思いを込めて。追伸、今夜のおおみそかカウントダウン、ダンスパーティに持っていくガトー・ショコラをオーブンで焼いているところです。ケーキの中にクリーム・シャンティを詰めて、上から湯せんしたショコラとバターでグラサージュし、・・上から覆うこと、最後に粉砂糖を雪のようにかける、そして、前菜用おつまみに昨日、パリ十三区の中華街で買ってきた50個のネム・春巻きを揚げ、大皿に盛りつけ、ボルドーのちょっといい赤ワインも持参して・・・よばれると大変だけれども、フランス社会で生きている以上は、フランス人の中に入り、フランス人と一緒に時間を共有、すごすことが大切です。
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by h-hatano-art | 2009-12-31 07:53 | Trackback | Comments(0)

一本の木に集まる鳥たち

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油彩画 80X80      新しい年・2010年まで、あと少し、フランスでは大晦日の夜から新年の明け方にかけて、親しい友人や家族が集まってダンスパーティをするのが恒例です。日本のTVのように紅白歌合戦もゆく年くる年もなく、大騒ぎのカウントダウンパーティの夜です。パーティといっても、そんなにしゃれたものではなく、おしゃべり大会の夜と言ってもいいものです。参加者各自が持ち寄りのシャンパンや赤白ワイン、立食用の食べ物・・一口カナッペや一口サンドとかパテやテリーヌとか野菜のキッシュ・パイとかエスカルゴをオープンで焼いたものとか自家製ピザとか生ハム・ソーセージ類の盛り合わせとか、チーズの盛り合わせといろんな種類のパン・・そして、ホームメイドのケーキ・・ガトー・ショコラとかチーズケーキとかリンゴのタルトとか・・・をずらりと食卓に並べて、お皿もナイフ、フォーク、スプーンも全部並べてのセルフサービス、勝手にとって食べるというものです。おしゃべりをしながら食べ、食べながらおしゃべりをし、時々、軽くフットワーク、運動がてらに踊っちゃうというもの。音楽はロック、ポップ、テクノ、R&B、ダイアナ・ロスのモータウンサウンドもあったり・・リクエストにこたえてなんでもありあり。騒がしいといえば騒がしい、雑然といえば雑然・・まったく、踊らないでおしゃべり続行のマダムもいるし、ずーと、赤白ワインを飲み比べ、不況経済・ビジネスを論じている壮年連中もいる。個人主義の大本家のフランスだから、個人個人が何をやってもいいのだ。新しい招待客が次々に到着すると、そのつど、参加者全員に紹介のための乾杯をする。おしゃべりして、食べて、踊って・・・そして、真夜中近くになると子供たちがカウントダウンを始める。シャンパンを開けて、口々に「ボナネー」・・・あっちこっちで花火を打ち上げる音が聞こえる。大変に疲れる大晦日・新年の始まりなのです。これを今年の最後の行事、三日後の夜にやらなければいけません。                                                                       この絵は、イタリア・ルネッサンスの画家、ジォットのフレスコ・壁画、聖フランチェスコ伝:小鳥への説教からインスピレーションを受けて、描いたものです。そして、ゴッホの黄色いひまわりの絵のようなマチエール・絵の具の厚みを同時に表現したかったものです。自分の気持ちが納得するまで、この絵のテーマ・生きとし生きるものの中に仏性・生命がある・・でいろいろな大きさのキャンバスで十枚ばっかり、描きました。もっと絵の具をゴッホのように、これでもかっていう風に、重ねていきたかったのですが・・・。私は繊細な工芸的な絵よりも、ごつごつしたあらけずりな絵を描くことの方に魅力を感じるのです。真ん中にあるピンクの木は、桜でも梅でも・・見る人によって何の木でもいいのです。見る人が、この絵にふれて、自分の生命の中の詩心がオープンし、自分なりの境涯でそれぞれに物語を作ってくれるといいのです。絵とはそういうものではないでしょうか?
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by h-hatano-art | 2009-12-29 16:47 | Trackback | Comments(0)

マドレーヌ広場のエディアール本店とフォーション本店

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                 パリのマドレーヌ広場に行って、証拠写真がないじゃんとお叱りを受けそうなので・・・パリの高級食材店、エディアールの本店玄関入り口写真・・・ワンちゃんはお店にご入店できないので、白い子犬が入り口につないである、・・かわいいでしょ。パリならではの風景です。そして、フォーション本店のショーウインドーの風景写真・・・色あざやかな、さまざまな果物をケーキ風にして左右対称に並べたもの、・・フランス人はこの左右対称、シンメトリーが大好きなのです。お店の外からのお客さまの視点を十分に承知の上での美的感覚なのです。シンメトリーの並べ方は落ち着くというか、シックというか、少々、クラシックな表現なのですが、こういうフランス的プレゼンテーションはスゴイものです。・・・新しい絵のための準備、エスキース・下デッサンを何枚も描いています。近代化の波にのみこまれ変化する、風化するパリのお店シリーズのデッサンです。浮世絵の北斎の富嶽三十六景シリーズや広重の東海道五十三次シリーズではありませんが、パリのお店シリーズ二十景か三十景ぐらいで・・と考えています。仏法の世界には、一念三千といって、一瞬の思い・考えの中に三千の世界が存在する、三千の可能性があるといいますから、思いついた時に自分の頭の中の三千の引き出しの中にイメージをストック・閉じ込めておくことも絵を描く作業の一部です。どういう絵ができてくるのか、お楽しみに・・・。
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by h-hatano-art | 2009-12-28 10:11 | Trackback | Comments(0)

玄関ドアのコラージュ・新年2010の飾りつけ

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今年最後の週末の土曜日の午後、パリにお正月・お雑煮用のおもちを買いだしに行きました。私が住んでいるパリ南郊外マッシーから郊外電車で三十分もするとパリの中心地・シャトレに着き、メトロ・地下鉄に乗り換えてオペラやマドレーヌ広場に出ることができます。今日は高級食材の老舗フォーションの本店やエディアールの本店に用事があった・・ショーウインドーの飾りつけや高級ワインの値段を見るために・・ので、最初にマドレーヌ広場に行きました。広場は多くの人でごったがえしていました。フランスにはカリテ=プリという言葉表現があり、それは価値イコール値段というもので、いいものはそれだけの値打ちがあるというものです。この二つの老舗食品店は世界中からの食材やフランス全土からの食材でいっぱい・・まるでアラジンの壺のお話しの中の宝物の洞窟のようです。そこから歩いて近くのメゾン・ド・ミエール、ハチミツの家というこれまた老舗のお店で、アカシアと栗の花々からとれるハチミツを買い・・・このハチミツとレモン汁をお湯で割って飲むと風邪の予防によくききます。・・そこからバンドーム広場を横切って、サント・ノレ通りにでて、いつも行列のできるパン屋さんでバゲット・細長フランスパンを買う予定でしたが、お店はクリスマスバカンスで閉まっていて・・残念・無念・・バゲットはフランス中、あらゆるパン屋さんで売ってはいるのですが、おいしいバゲットを作っているパン屋さんはそんなにないものなのです。最後に新しくオープンした日韓食材のマーケットで本日の大目的、元旦用の雑煮のおもちパックを買っていると・・・女房が急におでんが食べたいーといい始め、冷凍おでんセットや大根、白菜、豆腐、薄切り豚肉や薄切り牛肉、等々、年越しそばもみそかに必要かとかブツブツ言いながら次々にカゴに入れて・・もう、いいだろー・・冷凍納豆も細ネギもお得用玄米茶とほうじ茶もついでに・・一体、誰が持つんだ・・オタクじゃん・・ボケとツッコミの今年最後の買い物漫才・・散々な買い物になってしまった。写真の玄関ドアのコラージュ・貼り付けお飾りは、新年用のデコレーションです。・・・夕方、さんざん歩き疲れたのでゆっくりしょうとソファに座ったとたんに、長年親しくしているフランス婦人ジョジアンヌからの電話で、大晦日の夜のレベイヨン、参加者各自がシャンパンや我が家の自慢料理や自家製ケーキ持参のカウントダウン、ダンスパーティ・・二・三十人の集まり・・に来ないかとのおさそいがあった。最後の最後まで、なかなかゆっくりは出来ないものである。
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by h-hatano-art | 2009-12-27 08:39 | Trackback | Comments(0)

フランス版ノエル・クリスマスのレベイヨン・前夜祭食事

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  クリスマスの前夜祭の食事は家族全員が集まっての、日本のお正月のようなものだ。夜の七時半に集合し、フランス人特有の挨拶セレモニー・ビズ、ほほとほほを左右合わせての挨拶で始まる。握手もあるけれども、握手はそんなに親しくない人との・・たとえば、初対面の人とか・・礼儀的なものだ。地方、田舎に行くと、男同士でもビズをし抱きしめられる・ハグする挨拶もある。親愛の情を示す挨拶だ。今夜は特別な食事会なので、女性連中はドレスアップして、胸の大きく開いたドレス服や男性軍はネクタイ付のベストでおめかしだ。昨夜よばれたレノリイ家では、食事の始まる前にリビングのソファにそれぞれが座り、カリカリに焼いた一口大のパンにフォアグラをつけて、甘い白ワイン・ソーテルヌで食べながら、この一年はどうだったかとか、健康や仕事のことが話題となる。フランス人は基本的に話すために生きているといっても過言ではないので、食べながらお話しするのではなく、お話ししながらすばやく食べるという・・沈黙は金ではなく、沈黙は何考えてるのかわかんない、いい意味でも悪い意味でも自己主張中心という文化の中で生きているので、フランス社会の中では、どんなことでも話すことが必要だ。甘ったるい白ワインを二本も開けるころ、テーブルに案内される・・といっても食卓テーブルはすぐそばだけれども。最初に生ガキの盛り合わせとスコットランド産サーモンの燻製の薄切りを辛口の白ワイン・ロワールのムスカディと一緒に食べる。ずーと、お話しずくめ・・A型インフルエンザの予防接種は済んだのかとか養老年金の話しとか、・・食事中の話題に政治や宗教、人種・人権問題等々のお話しはタブーになっている。アルコールが入ってのそういうお話しはケンケンガクガク、食事会が熱い討論会になっちゃって皆が不愉快な結果になることをフランス人は長年の経験でよく承知しているからだ。・・ロワールの白ワインが三本も開くころに次の生ホタテ貝とエビのサラダ風・・バルサミコ酢が軽くかかっている・・が運ばれる。白ワインもちょっとコクのあるアルザスワインとか、ブルゴーニュワインが登場する。サービスはDr.レノリイの娘、ディアンヌの仕事だ。私が持参したボルドーの赤ワイン、サンテ・ミリオン(本当においしいワイン、当たりはずれのないワインでストライク中のストライクワイン)のマグナム、大ビンを開け、シャンブレ・室内温度にふれさせる、そうするとワインの香りが開き、飲み頃になる・・いよいよ、クリスマスの料理・家禽の・・お腹の中に栗の詰まった肥満した鳥の丸焼きと温野菜の付け合せが運ばれる。フランスでは七面鳥の丸焼きは人気がない。もう、お腹はワインと前菜でいっぱいである。これは日本の鯛のおかしら料理に似て西洋のクリスマスならではの料理だ。そして、チーズの盛り合わせ、最後にシャンパンでデザートのケーキ・・一番目の写真は自家製のケーキなのだか、もう、皆いい気持ち、つまり酔っ払ってテーブルの上は雑然としている。フランソワの弟パトリックから、・・お前、いつからレストランをオープンするのか・・と冗談を言ってくる。二番目の写真はファミリーの集合写真、ポーリーヌおばさんはトイレに行っていない。最後の最後にプレゼント交換、食後のお茶や食後酒のコニャクを飲んで・・自宅に帰ったのが明け方の二時すぎ・・今年最後のひと仕事を終えたようだった。おおいに疲れ、太田胃散を飲んでバタンと寝てしまった。
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by h-hatano-art | 2009-12-26 00:34 | Trackback | Comments(0)

冬の午後のセーヌ河とエッフェル塔、ソー公園の桜満開

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  油彩画 100X73
 早朝から深い霧がたちこめ、今日はレベイヨン・ド・ノエル、クリスマスの前夜の夕食にフランス人家庭からよばれています。こっちの生活が長くなると、家族同様につきあう、交流するフランス人家族もいっぱいできて、あちこちからお座敷がかかります。ノエルはもちろんカトリック・キリスト教を基盤とする西洋の歴史・西洋の価値観社会っていうか、西洋文化の凝縮された時間ですが、現代フランス社会では教会の真夜中ミサに行く人はあまりいません。最近では宗教行事の日というよりも、年末に家族が全員集まって、一緒に食事をし話しあったり、カドー・プレゼント交換をしたり・・の庶民のお祭りのような時です。去年のノエルには、ブルターニュ地方フィニィステール(大地の果て)県の北大西洋岸の・・パリ近郊から六百キロ、乗用車で一日かかる小さな集落に住むブルトン(ブルターニュの地元の人)の家庭によばれ、今、フランスで大流行のお寿司・・ダイエット食として若い世代に人気があり、大きなスーパーマーケットのお魚コーナーでは握り寿司の詰め合わせを売っている・・を作りました。さて、今夕は近くに住んでいるドクター・レノリィ一家によばれています。家族と彼の父親や叔母さん、弟夫婦とわれわれ・・十人前後の晩餐会です。Dr.レノリィ、分析と批評が大好きで、このところ太りすぎて娘からダイエットをしなさいと口うるさく言われているフランソワはカナダ系フランス人で開業医、妻のキャロリーヌはパリ市の商工会議所関係の秘書養成職業学校のカードル・上級職員・・彼女がウチの女房と親しい友達なのです。彼女は十六歳のとき母親を亡くし、母方のおばあちゃんに預けられ、フランス版おしんの経験をし、話し始めたら機関銃、チャキチャキのパリジャンヌ・パリ生まれ、若い時はスマートで背も高いのでマヌカン・モデルもしてたりして、秘書の職業フランス国語を教える資格をもっている。家族がいないのでウチの女房を家族と思って、問題があるとSOS電話がかかってくる。超まじめな長女のディアンヌは国際弁護士の資格をもっていて、イタリアのトリノの弁護士事務所で働いていたが、今は次の仕事の充電・待機中だ。そして、一家の問題児息子、旅行会社の営業マン長男のマチュー、出来ちゃったべべ・赤ちゃん、女の子のロラちゃんをもつ一児の父親・・・フランソワの奥さんのキャロリーヌから自家製のクリスマスケーキを作ってもってきてほしいとリクエストがあり、今、そのケーキをオーブンに入れて焼いている最中です。・・・続く・・・
 ノエル・クリスマス、プレゼントに何もありませんが、皆さんに冬去春来・一日も早く春が来るようにと、パリ南郊外ソー公園の満開の桜の絵・・冬は必ず春になると言います。人生の冬・人それぞれ、いろいろと困った問題のある時期、その次は勝利の喜びでいっぱいの春が待っているものです。ファイトです。自分を信じることです。・・そして、よく晴れた冬の午後のセーヌ河とエッフェル塔のパリの風景写真をお届けします。

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by h-hatano-art | 2009-12-24 18:22 | Trackback | Comments(0)

ブーケ・花束(ドラクロアの水彩画より)

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 油彩画  60X60
 朝からグレーな一日、冬のパリ・パリ近郊は、何日も太陽が顔を出さない日々が続き、こんな重苦しい時は、パッと気分を変えて、色とりどりの花咲くブーケの絵を選びました。この絵はドラクロアの水彩画スケッチからのものです。このドラクロアの水彩画はルーブル美術館のコレクションの中にあります。トラバーユ・仕事が行き詰ってくると、必ず、一ヶ月に一回は、パリの美術館に行って、ストライクの絵、ストライク中のストライクの絵を観ています。ルーブル美術館やオルセー美術館はずいぶんと広いから、絵の中を散歩するようなものです。自分の目のものさしを本物を見て、軌道修正するようなものです。食べ物でもおいしいものを食べないとおいしいものが何かがわかりません。音楽でも感動する音楽を聴かないと何がいいのかわかりません。絵の世界でも、長い歴史に残ったもの、人々が感動するものを見ないと、いい絵とは何なのかがわからなくなります。職業に上下はなく、どんな職業でも、それはその人なりの生きているメッセージです。まぁ、大変な職業ですが、好きでやっているのだから楽しいものです。・・・こっちでカフェの親父から聞いた彫刻家ジャコメッティの話しをします。ジャコメッティは細長い人物彫刻を作り、世界の主要な美術館には、必ず、彼の彫刻があります。彼は彫刻の仕事に疲れると、アトリエ近くのカフェに休憩に行きます。コーヒーを注文して、ギャルソン・給仕がコーヒー茶碗とスプーンと何個かの角砂糖とお水の入ったコップをテーブルに持ってきます。彼の頭の中はいつも、やりかけの彫刻の仕事でいっぱいです。テーブルの上で、ジャコメッティはコーヒー茶碗やスプーンや角砂糖、コップを使って、あちこちと移動し、コンポジション・構成、構図を始めます。せっかくの休憩時間ですが、ジャコメッティにとってそうすること、自分が気にいる構成・構図をさがすことが大きな喜びなのです。でも、その作業はいつも終わりのないもの、満足しないものになってしまうのです。彼はそうやって気分転換をして、またアトリエにもどり、もくもくと彫刻の仕事を続けるのです。・・・私はジャコメッティではありませんが、我々の仕事、創造の仕事とはそういうものなのです。この絵は、描いては消し、描いては消し、四年ぐらいかかりました。四年間の私の生活が入っている絵です。
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by h-hatano-art | 2009-12-22 23:48 | Trackback | Comments(1)

冬の朝、残月が見えるブナの木

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 油彩画 100X100          ヨーロッパ・フランスは寒波で超さむーい日々が続いています。住んでいる三階のアパルトモンの窓から見た雪の日曜日の朝の写真です。外気温マイナス六度、テレビではこの寒さでSDF、ソン・ドミッシール・フィックス、住所不定の人々の凍死ニュースが報道されています。一年前の米国のリーマンショックの影響でフランスも企業の合併、そして、リストラが始まり、失業~家庭不和~離婚~住所不定・・・落語の中にある「風が吹けば、桶屋おけやが・・・」というようにネガティブですが、全てがつながっている・・・路上生活の人々が増え、大きな社会問題になっています。政治不信・政治不在を多くの庶民が感じ始めたチェンジ・変革の時代、この非人間的な問題は二十一世紀の大きな世界的テーマです。
 さて、この絵・・下から見上げた大きなブナの木は、今月の12月にルーブル美術館の地階にある大ホール、カルセール・ルーブルでの国際芸術サロン展、SNBA、サロン・ナショナル・デ・ボザールに出展した絵です。今年は、六月にバスティーユ・オペラの裏手にあるパリ市の新文化ゾーンのギャラリーで展覧会をし・・・これも経済不況影響でギャラリーの展覧会予約が次々とキャンセルとなり、ギャラリーから連絡があって実現したものです。八月には、パリから車で五時間あまり、五百五十キロも走った、夏のバカンス客でにぎわうフランス南西、シャラント地方の海水浴の町、ロワイヤン・・市主催の商工会議センターの大ホールでの三人展、そして、このサロン展と・・・今年も無事故で、あちこちとよく展覧会できたものだと・・・これもぜーんぶ人間関係・人間交流の結果です。お世話になった多くの人に感謝の気持ちでいっぱいです。こっちに住んで学んだことの中に、・・チャンスは誰にでも平等に来るもので、それに自分が気がつき、それにどう対応・実現するか、大変だけれどもアベック・プレジール、喜んでやるか、やらないか・・・です。
 この絵は早朝の天空に残っている静寂な白い月と、いく世代も生き、大自然の環境の中で成長している冬の季節のブナの木を描いたものです。自然環境をこれ以上、壊さないように、自然のルールを守るように、ジェネラシォン・ド・ジェネラシォン、次の世代の子供たちへ、またその次の世代にへと、誠実に私たちのかけがえのないテール・地球をバトンタッチしたいものです。

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by h-hatano-art | 2009-12-21 00:57 | Trackback | Comments(0)

ビエーブルの谷間、雪の日の木々

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 油彩画  55X38                                             先週の木曜日の早朝から、フランス全土に初雪が降りはじめ、パリとパリ近郊は銀世界につつまれました。この絵は、雪降りつもる午後もおそく、三本の雪つもる木をテーマに描いたものです。寒くて寒くて大変でしたが、現場で絵を描くことは、絵描きとしての大きな喜びです。ピンク色に染まる大自然の日没直前まで、しーんとした森の中で仕事をしていると、自分が絵を描いているのではなく、ケルク・ショーズ、自分を超えたなにか他のもの・・自然がわたし自身の体を使って、メッセージを発信しているような感覚になってきます。人間とは自然の中の一部分なのだと、すなおな気持ちで悟ったりもします。そして、大きな感動でいっぱいになり涙があふれてきます。この瞬間の感動は永遠に忘れられないものです。・・・・少々、マジマジになりましたが・・・・ビエーブルとは、古いフランス語で、ビーバーのことです。大昔、この土地にビーバーが多く生息しているきれいな川がありました。今も川は残っていますが、エコロジーの時代、ビーバーはもう、住んではいません。ここはパリの南郊外、べルサイユからも近く、今ではビエーブルの谷間として残っています。
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by h-hatano-art | 2009-12-20 00:50 | Trackback | Comments(0)

フランスからのアートブログ開始

本日より、フランスから「波多野均つれづれアート」を開始します。                            東京の美術学校を卒業した23歳の1976年の五月に渡仏し、六月にパリのボザール(国立美術学校)の入学試験を受け・・実技と面接とがあり、実技は東京の美術学校時代の経験があったのでスムーズにいったのですが、お話し大好きフランス人教授連中にかこまれてのフランス語での面接には、大変な体験、コム・シネマ映画のような、フランス版フーテンの寅さんの映画のワンシーンのような雰囲気でした。話題は絵画の話しなので、理解できるのですが、言葉が出てこないのにはマイッタものでした。とにかく、自分はここで勉強したいのだと・・何回もくり返すばかりで、合格はあきらめていました。落っこちたら、ヨーロッパの主要なミュゼ・美術館を回って、西洋絵画のストライク中のストライクの絵を観て、帰国しようと思っていました。六月の終わりにボザール・美術学校から、一通の手紙が届き・・なんと、それは合格通知でした・・・そして、それは同時に、こっちでのフランス社会での長ーい生活の始まりでした。フランスのジスカール大統領、ミッテラン大統領、シラク大統領、そして、サルコジ大統領と四代のフランス政権時代の中で生きてきました。異文化の中で、ちょっと変わった、変なジャポネにならないようにと懸命に生きてきました。これから、皆さんに、刻々と変化するフランス社会の中で、アートを中心に私が見聞し、思い考え、行動・会話したことをつれづれにブログしたく思っています。ワインでも飲みながら、フロマージュ・チーズでもつまんで、ストレス解消・気分転換がてらに、バカやってるーと笑いながらお読みいただけると幸いです。ご期待下さい。
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by h-hatano-art | 2009-12-19 02:49 | Trackback | Comments(0)