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波多野均つれづれアート

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プルコワ・どうして、パリなんかに来ちゃったのか・・・その5

パリ六区のアリアンセフランセーズ・フランス国語の語学学校の寮には、一ヶ月の滞在予定で、その期間、いろいろな人たちとの出会いがありました。毎朝八時半の初級集中フランス語授業には、大阪出身のワタナベさんという新婚ホヤホヤのご夫婦と服飾関係の仕事で一年間留学しているナカムラさんという女性と一緒でした。お昼前に授業が終わると、市場で買い物をしてワタナベ夫婦が住んでいたエトワール広場近くのアパートか、ナカムラさんの住んでいたシャンゼリゼ大通り裏の五階だったか、六階だったかの屋根裏部屋におしかけ、みんなで昼食を一緒にしたり、夕方までだべったり・・・フランスの異文化ストレスを発散していました。また、寮には5人くらいのジャポネ・日本人留学生・・フランス文学の専攻だったり、北アフリカ・・アルジェリアやモロッコなんかに駐在している日本企業の通訳のための上級フランス語の勉強だったり、フランスの大学に入る準備だったりで、語学学校の食堂で顔を会わすことも多く・・・私をのぞいて、半年以上や一年近くの長い寮生活の人が多く・・・誰かが日本食が恋しい、食べたーいと言い始めたのがきっかけで、週末に刺身パーティをしょう・・ということになり、私が一切の買い物準備や調理をするはめとなり、語学学校のそばにあるルクサンブルグ公園をぬけて、パンテオン広場近くにあった、当時、パリで一軒しかなかった日本食料品店・京子に行き、一升瓶の日本酒とお醤油、缶入りの粉わさびを買って、ムフタール街のポワソニエ・魚屋で、タイとマグロ・・当時、マグロはイタリア人とかポルトガル人やスペイン人しか食べなかった値段の超安い魚だった。・・を買って、寮の私の部屋の小さな洗面台でお刺身を作った。包丁がなかったので、クトー・スイスというハイキング用の小ナイフ、まな板は日本から持ってきた和菓子箱のフタ・・夕方、みんなが集まって、さあ、オサシミパーティの始まり、始まり・・・船便でインド洋を何ヶ月もかかリ、波にチャプン・チャプンとゆられて運ばれてきた一升瓶の日本酒は酢になりかけ前のすっぱさ、缶入りの粉わさびを水で溶くと香りが飛んでいたり、お醤油もマレーシア産のものでニョクマムまがいのようなものだったが、みんなで一緒に食べた、異国・パリでのお刺身はずいぶんとうまかった。タイのアラでウシオ汁も作った。キャンピング用ガスコンロでご飯も炊いた。タダ同然のような地中海マグロの腹身・トロは最高だった。生まれ故郷の民謡なんかも登場して、楽しいオサシミパーティの夜だった。・・よく朝、部屋の掃除のアフリカ系のおばさん・・・ベッドメーキングやシーツの取替え、トイレ掃除をしてくれる・・・が、なんか、この部屋、サカナくさいわね・・・洗面台にはタイのウロコがくっついていた・・・なんとかごまかして、日本のお土産小物をあげて・・・ジャポネ、日本人はサカナくさいんだと・・・。人間、どこにいても、どういう環境の中でも、楽しく暮らすことが大切です。続く・・・。
by h-hatano-art | 2010-01-19 18:56